【部員ブログ】レッドカード
中学最後の大会で敗退した後、皆が泣いている中で僕だけ泣かなかった。
というか、泣けなかった。
ああ、自分は冷めた人間だな、とその時思った。
サッカーを始めたのは幼稚園の頃だ。
幼稚園の頃は、活躍すればパインアメが貰えるというシステムで、あのパインアメの味は今でも覚えているくらい最高だった。
今自分で買って食べてもあの頃ほどの感動が得られない分、あの頃のパインアメは特別なものとなっている。
小学校では天才CB(地区トレにほぼコネで選出される程度)として名を轟かせ、中学では特筆することもないくらい平凡なSHとなったが、友達とするサッカーをただただ楽しんでいた。
高校に入って比較的早めにスタメンになったが、依然としてただサッカーを楽しむだけだった。
この意識を変えるきっかけとなったのが、高2の新人戦の予選リーグ第2戦である。
この試合ではたまたま点を前半に決めれたこともあり、若干イキっていた。
1-0で迎えた後半30分辺りの相手のコーナーキックで、(口だけよく動く)味方キーパーがこぼしたボールを僕がクリアしようとした際にハンドを取られ(実際は触ってないと主張しやす。)退場となり、その後チームは逆転負けを喫した。
馬鹿みたいに泣いた。
わんわん泣いた。
ぴえんどころじゃなかった。
初めてサッカーで泣いた原因が、自分に対する不甲斐なさと判定に対する不満であった。
今考えると非常に情けないが、結果的にその試合は僕にとって一番価値のあるものとなった。
あの時僕を励ましてくれた仲間、学校中に言いふらした顧問、「悩み事あったけどゆうたよりましだなって思えた」と言ってきた友達、次の次の日告ったのに返事を先延ばししてきた女の子のために頑張らなければと思えた。
それからチームの勝利に貢献するために必死に体を張れるようになった。
負けた時に心の底から悔しいと思えるようになった。
総体の決勝で負けた時、めちゃくちゃ泣いた。
サッカーに熱狂出来ていたのだなと感じ嬉しかった。(これだけは嘘やん。悔しい以外ないやろ。いい話にしたい気持ちが強すぎてきしょいこと言いよるなわし。)
サッカーに熱狂出来てから引退まで半年程度だった。
物足りない、もっとヒリついた試合をしたいという気持ちから大学でも体育会でサッカーをすることを決めた。
まずはこの夏、体を絞って土台を作りたいと思う。
もっと面白いブログを書きたかった。
自分のセンスのなさを呪います。
2回生プレーヤー 山下裕大