【KIU BLOG】飛翔
グラウンドに着くのはいつもきまって練習の1時間前。いつものルーティンである掃除とストレッチをしながら、トレーナーが来るのを待つ。その日の身体の調子に合わせて、テーピングの強度を注文し、巻いてもらう。
「ベスト、ありがとう」。
グラウンドに出て、またストレッチをしながら身体の調子をもう一度確認し、ジョグ・筋トレ・マッサージ・プライオ・加速走の中から何をするか考える。
時にはマネージャーの手伝いをし、時には仲間と談笑し、「集合」と自分が声をかけるまでにはベストをつくる。
練習中は自分に集中する。コントロール・パス・シュートの精度やステップをその都度修正しつつ、チームと頭を揃えに行く。
練習が終わって、頭と身体が疲れ切っている。そんな状態でベッドに倒れるように眠りに行く時が一番の幸せだったりする。
そんなベストを毎日毎日積み重ねて、週末本番を迎える。2年の中旬から立ち続けるAの公式戦のピッチ。目の前の相手に勝つことだけを考えて走り続ける90分間。勝つ時もあれば負ける時もある。そしてまた新たな1週間が始まる。あたりまえに積み重ねてきた日々。
もちろん毎日がベストなわけではなかった。自分に矢印を向けれなかったり、怪我をしたり、仲間が長期離脱をしたり、人生で初めて挫折を味わったり、いろんな日があったけど、今僕はここにいる。そんな日々にも終わりが近づく。
残り5試合。
積み上げてきたものすべてを体現する。
ロキソニンとアドレナリンで痛みは感じない。ピッチ脇に並びキャプテンマークを巻く時、試合に出れない選手の、応援に来てくれる家族やサポーターの、チームのサポートをして笑顔で送り出してくれるマネージャーの、ピッチに立つため身体のサポートをしてくれるトレーナーの、自分を支えてくれる人たちの想いを背中に背負う。
それは、重りのように自分に負荷を与えるものではなく、自分を持ち上げ前へ上へと運んでくれる羽のように力を与えてくれるものだ。
そんな力を背に、自分の「らしさ」を最大限に表現しながら、自分のベストを尽くそうと思う。
4回生プレーヤー 日置晃久