【部員ブログ】雑用を侮るなかれ
こんにちは。
2回生プレーヤーの酒井雄飛と申します。
滋賀県立膳所高校出身、工学部地球工学科に所属しています。駿台での1年間の浪人生活の末合格しました。京大サッカー部の膳所高校出身の部員は他に3回生の横山舜(現役)、2回生の田中雄大(現役)、1回生の久保高志(一浪)がおります。僕からすると横山は高校では同期だが大学では先輩、田中雄は高校では後輩だが大学では同期、久保は高校でも大学でも後輩ということになります。僕は横山に今でもタメ口で喋りかけますが、田中雄は入部後僕にタメ口で喋りかけるようになるなど、僕が一浪したことであまりにも複雑な上下関係を生んでしまい、「時空を歪める男」と呼ばれたり呼ばれなかったりしております。
京大を志望した理由としては、地球工学科で学んで将来は資源開発に携わりたいという志と、京大サッカー部への単純な憧れの2つがありました。どちらの方が大きいとかはなく、僕にとっては両方とも大きな理由でした。膳所高校は京大サッカー部と年に2回ほどリクルーティング試合をする機会があり、当時の酒井那乙斗主将の大学サッカーを語る姿や実際の京大サッカー部のプレーを見て、京大に入れるくらい勉強のできる人たちが本気でサッカーをしている姿に憧れを持ち、こういう環境に身を置きたいと強く思いました。
平凡な自己紹介はこのくらいにして、本題に入ります。
なぜ部活では後輩が雑用をするのでしょうか?
事実、我々京大サッカー部でも練習の準備・片付けや荷物積みのような、言ってしまえば雑用と呼べるような仕事はほとんど1回生が担っていますし、僕の所属した中学・高校のサッカー部においてもそうでした。
僕は年功序列に賛成とは言えません。例えば会社において年齢に応じて賃金が上がるなんて、利益の本質を捉えた構造ではありません。部活においても、先輩が幅を利かせることが勝利に直結するとは考えにくい(統率はとれるかも…)ですし、ましてや多くの大学の部活のような学生主体で自主運営をするチームにおいては先輩だからといって雑用をしなくていい理由は1つもありません。勿論、面倒な雑用は少ないに越したことはないですが、自分たちのチームを毎日回していく以上、それに必要なことに「気づき」、「動く」ことができなければならないのは、そこに所属する全員に言えることです。
ただ、そういうチームでは自ずと先輩にしかできない仕事が生まれてしまいます。創部以来選手による自主運営を貫いてきた我々京大サッカー部においてもそうです。首脳陣をはじめ、GM、主務、会計、各部署長といった役割は(上回生全員がそういう役割を持っているわけではないが)、チーム運営の根幹に関わる役割であるとともに、絶対に入ってきて1~2年の選手がこなせるものではありません。その役割に必要な「気づき」、「動く」能力、あるいはその前提となる知識を得るまでに時間を要するからです。
これにより、
・負担を分散させるための仕事量の平均化
・「気づき」、「動く」能力の養成
を行う必要が生じます。僕はこの部において1回生が雑用をするようになった経緯は知りませんが、今はこの2つのためだと解釈していますし、そう機能していると思います。
したがって、選手による自主運営を柱としないチームにおいて、後輩だけが率先して雑用をしなければいけない理由は一つもないです。多くの中学・高校の部活において後輩が雑用を受け持つ構造は、ただの負担の押し付けだと僕は考えます。悪い風習・伝統です。「風習」や「伝統」といった言葉ほど後輩に不利な言葉はありません。(先輩も1年生の頃は雑用やってたんだから平等じゃん、という反論も聞こえてきそうですが、やはり後輩からすると、目に映る現状としては自分たちばかり雑用を押し付けられる状況にあるわけですから、無駄な負担・ストレスを抱えることになるでしょう。)
「気づき」、「動く」能力というのは、プレーにおいても好影響を及ぼします。チームが目標とするプレースタイルを据え置き、個人・チームの両方のスケールで何が足りないか、今どこまでできているのかを具体的に考え、プレー中に気づいて修正することができるかどうかは、その日の練習や試合の効果に大きく関わります。自由度の高いサッカーという競技において、オンザピッチで具体的に考えて修正することは難しいものの特に重要です。京大サッカー部のような個の力が弱いうえに一定した戦力を毎年獲得することができないチームにとっては、毎日これができるかどうかがそのシーズンの結果に直結するとも言えるでしょう。
オフザピッチとオンザピッチ両方の話をしましたが、共通するのはいつも通りのことをやりながらも現状を大局的・俯瞰的に見て必要なものに気づき行動するという点です。これにはある程度の慣れ、というよりも慣れから生まれる余裕が必要でしょうから、「気づき」、「動く」能力の養成にはある程度時間が必要です。
(そして更に話を拡げれば、「気づき」、「動く」能力は、自分、或いは属する団体の向上を図る際にはサッカー以外の競技や勉学、芸術、その他さまざまな分野においても同じように重要だと僕は思っています。)
大きく話が逸れてしまいました。最初の問いに戻りましょう。
なぜ部活では後輩が雑用をするのでしょうか?
多くの場合は「雑用は後輩がやるもんだ」という悪しき伝統の力を借りた負担の押し付けなのでしょう。それだけではただの年功序列ですし、不満が生まれて当然です。ただ上に書いたように、雑用はポジティブな面も持つと考えることもできます。上に書いたようなものよりもっと良い解釈もあるかもしれません。面倒な雑用は少ないに越したことはないことは勿論ですが、チーム・あるいは所属する団体を回すためにどうせやらないといけない仕事なんだから、雑用でも利用できるものと捉えてポジティブに取り組んでいけたらな、という意見でした。皆さんはどう考えますか?
このホームページには下にコメント機能がありますので、この雑用問題にご意見等ある方はぜひお寄せください。
最後に。僕はリクルーティング班に所属しています。過去の自分がそうであったように、京大サッカー部とのリクルーティング試合を通じて、京大サッカー部に、また京大でサッカーをすることに憧れを持ち、サッカーをするために京大を目指す高校生をもっともっと増やしたいと考えています。これを読んでくれた高校生、先生に連絡をとってもらって京大と試合をしてみよう。そして、数年後一緒に京大でサッカーしよう。待っています。
長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。
2回生プレーヤー 酒井雄飛