【KIU BLOG】守りたかったもの
「GMやってくれん?」
そう言われたあの日からずっと、自分がGMを務める意味について考えていた。
GMになるということは、首脳陣の一員になるということ。そして、マネージャーとGMの2つの役割を持つことになるということ。
漠然とした不安があった。
今まで、そこまで権力もなく、ただのマネージャーのひとりである私にみんなが首脳陣の一員として、信頼を置いてくれるのか。
初めのうちは、手探りで、気合いを入れても空回り。失敗ばっかり。挙句の果てに、信頼してくれる同期にも八つ当たり。泣いてばっかり。こんなんで、なんで私がGMになったんだって。選手の誰かがなった方が良かったんじゃないか。実際に頼られるのは他の首脳陣ばっかり。
もう嫌だ。辞めてしまいたい。逃げたい。
そんな時に、同期に言われたこと、
「そんなに辛くてしんどいならやめちゃえば?」
その通りなはずなのに私は頷けなかった。
GMを引き受けた時の覚悟はそんなものだったのか。
自分が、チームを3部優勝に絶対に導く。
そう決めて、それを達成するまでは絶対に諦めないと覚悟を決めたはずだった。
その時私ははっとした。
私が、GMとして首脳陣にいる意味。
それは3部優勝に導くため。
マネージャーでもできるんじゃない?
そうだ。マネージャーでもできる。
でも、もっと本質的なこと。
チームの指揮をとる人たちが、間違った方向に向かわないようにするため。
チーム運営に1ミリも滞りを起こさないため。
チーム全員が気持ちよく部室に来れるようにするため。
チームの裏方だとしても、みんなの土台となるため。
だから、首脳陣ミーティングで、何回衝突したとしても、納得するまで意見を言い続ける。
班ミーティングに出て、助言をする。
もちろんマネージャーとしての業務は怠らない。
「最後まで、何があっても絶対にやり遂げよう」
そう泣きながら約束したあの日。
あの日のことを忘れた日はない。
最近後輩が言ってくれたこと、
「このチームが大好きです」
私も!
いいチーム。いいチームメイト。
AもBも学年も、スタッフも選手も関係なく全員がチームで歓喜できるチーム。
私が見たかった景色はこれなのかもしれない。私が守りたかったものはこれなのかもしれない。私がGMとして守りたかったものは守れている、そんな気がした。
ポンコツな私についてきてくれた後輩たち、対等な立場で戦える同期たち、いつも可愛がってくれた先輩たち、そしてどんな時も応援し支えてくれた両親。感謝してもしきれない周りの人達がいたから、ここまで成長できた。
今シーズンも残すところあと7試合。
最後まで戦い抜く。
GMとして、マネージャーとして、チームの一員として。
最善で選手たちがピッチに向かえるように、
最善でスタッフが自分の業務を全うできるように。
試合終了のホイッスルがなった時、自分の責務は全うできたと思えるように。
4回生マネージャー 板橋真悠子