【部員ブログ】アルビレックスな人間
百万遍が歓喜に沸いたのはもう半年ほど前か。あいみょん当選。おそらく百万遍史上最高声量が記録されたのもその時だ。当選の二文字を見た瞬間、その瞬間にはもう叫んでいた。そして百万遍中の行き交う人々の注目を集めた。それからたのしみに、たのしみに、いい子にして待ってたつもりだ。それなのに、当日の朝、延期が発表された。
不運だ。いい子にしてたのに。思い当たるのなんて、自転車を乗っているときにパトカーに追われて、逃走を図ったことくらいだ。結局止められて、君が挙動不審でパトカーを何度も見返していたから、と言われた。実はこれが4回目。そのせいで尚更警察に反応してまうんやないか、と言い返してやりたかった。何も悪いことはしていない。けど警察にとめられると何となく不安になる。僕の心臓のBPMは190になったぞ。(あいみょんの新しい日程がついさっき発表されました!やっぱり悪いことはしてなかったみたい)
といった感じで、よく警察に止められる僕だが、僕の人生はとても恵まれている。
なぜか。僕の生まれた新潟には、アルビレックス新潟があったからだ。物心ついた時から、家族に連れられて、ぶかぶかのオレンジ色のユニフォームを身に纏い、新潟のホーム、ビッグスワンに足を運んだ。そこは、自分たちと同じようなファミリーから、一人で来ている大学生、社会人、そして腰の曲がったおじいちゃんおばあちゃんまでもが、新潟中から集まり、アルビの勝利、ただそれだけを信じて声援を送っていた。勝てば歓喜しお祭り騒ぎ、負ければ肩を落としまるでお葬式。そんなアルビが僕にとっては日常で、まさに、「電気・ガス・水道・アルビレックス」だ。(これは以前新潟の社長をしていた是永大輔氏の当時のお言葉をお借りしました。)
アルビレックス新潟は決して強くない。決して常勝軍団ではない。それでも、新潟県民に、アルビを応援するすべての人々に勇気を、興奮を、感動を与えることができる。新潟が勝った週は新潟全体が勇気、元気、活気に満ち溢れている。そんなことができるのは間違いなくアルビしかない。アルビレックス新潟は、電気・ガス・水道と並ぶ日常、インフラであるのと同時に、僕に勇気、元気、感動を与えてくれるスペシャルな存在でもある。(時には不安や怒り、絶望を与えることもあるのだけど(笑)。)
僕はアルビレックスな人間になりたい。誰かが自分の活躍をみて、少しでも元気や勇気を持ってくれたら、そんな活躍をしたい。これは大学生の今も、社会人になってからの将来も、だ。
僕が今持っている目標は、こんな大雑把な感じのものしかない。難しいのは、元気とか勇気とかは与えようと思って与えられるものではないということで、実際新潟の選手たちも勇気を与えようと思ってプレーしてるわけではないはずだ。でもやることは明確だ。自分の持っている全てを出すことだ。でもこれが自分は大の苦手だ。小さい頃からここぞという場面で頑張る選手は常に自分ではなかった。誰かがやってくれた。でももうサッカーできるのも後1年と少し。自分がそっち側になってもいいのではないか。すぐにできるかどうかは分からない。でも、頑張れない自分のまま大学サッカーを終えては意味がない。非アルビレックスな人間ではだめだ。
僕はアルビレックスな人間になる。これが残りの1年少しの目標だ。そして社会人になってからも、どんなかたちになるか今は全く分からないが、多く、とは言わずとも誰かに、勇気とか、生きる元気とか、希望とかを持ってもらえる人になりたい。そう、アルビレックスな大人に。
アルビレックス新潟は現在j2リーグ首位に立ち、絶賛昇格争い中。アルビが今年j2を制する。これが近いうちの夢だ。それ以外はもう何も求めない。ある意味ではもう立派なアルビレックスな人間みたいだ。
3回生プレイヤー 笹川拓人