【KIU BLOG】象徴としての王
去年からこのチームは大きく変わろうとしていると思う。この変化のお陰で私は、大きく成長できていると思うし、サッカーへの理解度も格段に上がっていると思う。
その変化とはズバリ、京大のサッカーの目指す理想像が掲げられたことである。
この理想を達成するために、チームは同じ方向を向いて、徐々に成熟して行き、常勝集団へと変貌を遂げる。私はそう信じていた。
だが、現実はそうすんなりとは行かなかった。
昨年、結果だけ見れば惜しくも昇格を逃した3位。だが、理想とはかけ離れた内容であったと思う。そして、今年こそは内容も結果も求めているものを得ると意気込んでいたが、蓋を開ければ、リーグ開幕からまさかの10連敗。
個人的な話で言うと、今年はリーグ戦に多くの時間出場させて貰っていたので、負けが続いてる時には、何がうまく行かないのか悩む時もあった。
去年から一貫して、自分はこのチームの理想を象徴する選手になる。そう思ってプレーしてきた。何故なら、自分のポジションは理想通り行った時に活躍するポジションであるし、自分はこの理想像によって大きく成長できているし、何より、この理想像はチームにとって必ず有益であると信じているからである。
しかし、リーグ戦で、象徴が輝いたことはなかったし、その結果が如実に連敗という形で出ていた。だからこそ、負けを重ねる中で、私は自分には何ができるのかを考えるようになっていた。
そんな時、偶然にも、去年のチームで大活躍していた先輩に再会した。そこで、彼に去年のチームの強さの訳を聞いてみた。
彼はチームがキャプテンを中心にまとまっており、試合中にチームでやることがはっきりしていたことが良かったのではないかと言っていた。
私は彼の言葉で自分がするべきことが分かった気がした。自分ができることは何か。それは象徴であり続けることしかないだろう。だからこそ、私は象徴になることを諦めず、チームを理想の方向へと進めることにだけ注力すること。これが、これだけが、私がすべきことだと気付いた。
そこから、私はチームを同じ方向へ導くということを念頭に置きながら、数試合を戦った。
時には、ゲームキャプテンとして全責任を背負う気持ちで臨んでみたり、時には、仲間に自分の考えを伝え続けて、チームの意識を理想像の方へ持って行こうとしたり。自分の力量不足で上手くいかない試合も多々あったが、勝利を掴めた試合も出てきた。
さあ、もうすぐ、リーグ戦が再開する。
象徴としての力を発揮出来なかったあの頃から、私は変わった。
象徴は象徴としての王へと生まれ変わろうとしている。ピッチ内で仲間に道筋を示し続け、チームの理想を体現する。そして、理想の先には求めていた結果がある。
チームを理想へと引っ張る象徴としての王として、このチームが見る景色を大きく変えたいと思う。
3回生プレイヤー 武田遥