【部員ブログ】Klee
上には上がいる。
ある程度メジャーな分野ならこれは当てはまるだろう。かの有名なサカナクションの山口一郎さんはKleeという画家の絵を見て、絵の世界を諦めたという。
こんなふうに、上には上がいる。
そして、認めたくないことではあるが、自分の完全上位互換みたいな人がおそらく存在する。この事実を知った小学生の時、なんで自分は生きているんだろう、こんな疑問がわいてきた。
小学生なのに、自分が生きている意味なんかないと言って親を困らせていた。親は生きていて欲しいと言ってくれたが、親を悲しませないためだけにこんなめんどくさい人生を生きるのは割に合わないと本気で思っていた。
将来の夢は?と周りの人に聞かれると建前として安定していて、めんどくさいことが少なそうな公務員と答えたが、本音は早く老人になって一生を終えることだった。
変な拗らせ方をした、今考えると恥ずかしくなるような考えを持っていた小学生が中学生になる前に考え方が変わった。
自分を変えたのは中学受験だった。
それまで努力をするという経験がなかった自分は中学受験で初めて努力をした。塾に通い、家でも勉強して模試の成績に一喜一憂した。
夢中で努力をした時間はすぐに過ぎ去っていった。
自分は志望校に合格した。これまで感じたことのない達成感を感じ、生きていることを実感したし、生きていて良かったと強く思った。
今思えばそれは「熱狂」だったのかもしれない。
自分は生きる理由を見つけた。
目標に向かって、努力することは結果がどうであれ、自分の中に強い感情を残す。残ったその感情だけが、自分が生きていることを実感させてくれる。生まれたのなら、いつか死ぬ。せっかく生きているのならば、死ぬ時には生きてたなと実感したい。自分の中に何も残さず死んでしまいたくない。
「熱狂」を追い求めたい。それが自分の生きている理由だ。
それから自分が今までやってきたことは勉強とサッカーくらいだ。
勉強については、現役の時は大幅に最低点を下回って不合格、浪人してなんとか合格できた。中高時代の友人は僕より勉強ができる人が多く、浪人時代も一年多く勉強しているにもかかわらず、優秀な現役生に負けていた。
サッカーでも、中高の県大会でシード校にボコボコにされ、リーグ戦では強豪校の2ndチームによく負けていた。大学ではメンバー争いに絡むことができていない。
やはりどの分野でも上には上がいる。
何回も負けてきたし、努力しても目標を達成できないこともあった。でも、今自分の中に残っているのは努力した時の結果と感情だけだ。些細な日常のことはどんどん消えていく。
ならどんなに負けても、どんなに目標に届かなくても、目標に向かって努力していたい。
自分の目標は他の人から見れば、低い目標かもしれない。でも、上には上がいるんだから仕方ないと自分は割り切っている。
自分なりの目標を見つけ出し、自分なりの努力をする。
それが自分らしさだと思う。自己満と言われるかもしれないが、凡人の自分は自身の人生に満足できれば御の字だ。
こんなことを言ってもやっぱり、ダラダラしてしまうことはある。目標に向かってずっと努力することはとても難しい。
しかし、自分が生きていることを実感できるのは目標に向かって努力をした時だけだ。
今は、3部優勝に貢献するという目標に向かって、できるだけ自分らしく生きていきたい。
三回生プレーヤー 野村岳大