【KIU BLOG】嗅覚
5歳から始めたサッカー。そこから小中と10年間自分のやり方で必死にやってきた。高校では進学クラスの関係で全国レベルの強豪サッカー部には入ることができず普通のバスケ部に入った。フットサルと似ているし、別に自分が運動神経が悪いとは思っていなかったので、自分の代になれば試合には出れるだろうと思っていた。
初めは友達に練習のやり方を聞いたり自分で調べたりしてまた自分のやり方でやり始めた。でも2年の夏休み、自分はBチームのままだった。1年生や、高校からバスケを始めた2年の仲間に負けたくなくて、コーチにどうすればいいか、自分はどういう方向へ向かえばいいのか何度も聞いた。夏休みの練習で走りを頑張り、ボールも手に馴染んできた頃、練習試合でのAチームでのプレータイムが増えた。他の人から学ぶことと、「言語化での理解」の大切さを身をもって学んだ。
バスケ部に入部した当初は、バスケはサッカーに近いところもあるからサッカーを再び始めた時に考え方や動きが変化すると考えていたが、1番変わったのはサッカーに対する意識だ。自分から学ぼうとする意識、そして常にサッカーのことを考えて行動する意識が身についたと思う。今は一日中サッカーのことを考えて、食べるものも、食べるタイミングも気を遣うようになった。
さて、サッカー部員なのにバスケの話ばかりになってしまいそうなのでサッカーの話に戻そう。僕は今までサッカーをする時には自分を客観的に捉えて言語化してこなかった。自分のプレーが上手くいって点に繋がるならいいやと思ってきた。そういう訳か、よく「ゴールへの嗅覚があるね」と言われる。
嗅覚は人間の五感の中で唯一情報が、感情や本能を司る大脳辺縁系に直接伝わる感覚だ。「ゴールへの嗅覚」は「ゴールへの本能」と言える。
僕は最もゴールに近いポジションだと思ったからMFというポジションを選んだ。言語化での理解が不可欠なポジションではあるけれど、自分の嗅覚が活躍するポジションでもある。今後サッカーを続けていく中でその本能だけではゴールを奪えないようになることもあるかもしれないが、僕はこの本能を磨き続けたい。生死がかかったような試合で、本能を頼りにゴールを決めてしまう、そんな選手になりたい。
僕はこの京大サッカー部で、ゴールへの嗅覚と、それ以外の言語化での理解という相反する2つのことを思う存分追求していきたい。始まった第2のサッカー人生で輝くために。
一回生プレイヤー 土田直