【KIU BLOG】いつか
今日も何も上手くいかなかった。
小中高とサッカーを続けてきたが、ポジションを固定せずやってきたツケが回ってきた。自分の得意なポジションがどこなのか分からない。大学からFWに転向したが圧倒的に自信と経験が足りない。満足いくプレーができなくて悔しい気持ちが常に胸の中にある。
そんな思いを抱え過ごす週6の部活。それに加え、オフの日には鉄板をひっくり返して鯛焼きを作る、この1週間をひたすら繰り返す。しんどいし、眠いし、疲れも残る。大雨なのに練習があったらため息もつく。昨シーズンはほとんど怪我をしていて、満足にボールを蹴ることができなかった。今年の3月には膝を怪我して、歩くこともままならず、サッカーのことを考えるだけで辛かった時もあった。それでもサッカーを辞める選択肢はなかった。
なぜここまでして大学でサッカーをするのか?
確かにそうだ。限りある短い大学生活の中で、ほぼ毎日サッカーをする。そこで得られるものなど「大学では体育会に所属していた」の一文だけかもしれない。それでも、体調が優れない時も怪我をしてサッカーができない時も、グラウンドに行く。プロになりたいわけでもないし、急激に上手くなるわけでもない。それでもサッカーを続ける。側から見る人にアホらしいと思われても仕方ないし、それも分かっている。だけど辞められず今も続けている。
サッカーが好きだから続けている?違う、この感情はそんな二文字で言い表せられるものではない。
今の自分に心の底から満足できていないのに、「好き」だなんて感情を単純に抱けるわけがない。見返りを得ることがなく満足できなくてもいつか報われると思い続ける、「身勝手で一方的な愛」をサッカーに抱いているといった方が良い。点を決めた時、仲間といい連携ができた時、チームで綺麗に崩してみた時、、、数え上げるとキリが無いぐらいあるサッカーの魅力に、いつのまにか虜になった自分。どれだけ辛いことが待ち構えていても、こんなサッカーを嫌いになることはない。いつか心の底から満足するプレーができ、サッカーのことを「好き」と言えるようになるまでプレーをやめることはないだろう。
だから、今サッカーをしている。
不完全燃焼で終わり続けたこれまでのサッカー人生。
もう大学で終わらせよう。
引退の時に「あぁ、やり切った」と言えるように。
変わった愛を終わらせるために。
さぁ、明日も練習に行こう。
2回生プレーヤー 仲里 陽