【部員ブログ】リスペクト
京都の夏は暑い。
ここ数日は体温超えだ。
それでも週6日、私はグラウンドに向かう。
ゲリラ豪雨に近い雨の日も、おそらくこれからやってくる寒い凍えそうな日も。
季節が巡って来年の夏も、再来年の夏もここにいるんだろうな、そして引退か、と仲間を見渡したとき、ふと、今まで味わったことのない感情が湧き出てきて、自分でも驚いてしまった。
スポーツにおける一番大事な精神は何かと問われたら「努力」や「絆」、色々あるけど私は「リスペクト」だと思う。
同じピッチに立つチームメイトだけではなく、自分たちを支えてくれる人、レフェリー、そして相手チームに対しても敵ではなく同じサッカーを楽しむ仲間としてリスペクトする。
そこにフェアプレーが生まれスポーツ本来の「楽しむ」が生まれると思っている。
3年前の5月、インターハイ県予選、強豪校に0-7と大敗したにも関わらず私たちは皆笑顔だった。
私自身も「やっと終わった。もうサッカーはいいかな。」とホッとしたのを覚えている。
中学で陸上部だった私は団体競技の一体感を得たくて、高校ではサッカー部に入った。
3才下の弟がずっと続けていたのも影響している。
しかし、入部して半年経ったころにはすでに本来楽しいはずのサッカーを楽しむ余裕など無かった。
練習中は決してプレーに対する指示とはとれない、侮辱や文句が毎日飛び交う。
試合に出れば常に怒鳴られるため、みんな怯えながらプレーする。
ベンチから飛ぶ声も同じで、同期の中には病んでしまう子もいた。
「さくら達の試合って不思議よね。ゴール決めてもみんなで喜ばないから、外から見ていて点が入ったかわからないわ(笑)」と試合を見に来た母に言われたこともある。
先輩たちの引退試合も泣くことは無かった。ようやく自分たちの代になり、少しずつ変わり始めたが引退までの時間は短く、残された傷跡も大きかった。
仲間、そして顧問やコーチに対してもリスペクトが足りなかったように思える。
「サッカーはもういいや」から「やっぱりサッカーって最高」と思わせてくれたのは、間違いなく今の同期だ。
私は心の底から彼らをリスペクトする。
地獄のような浪人生活、無味な毎日だったコロナ禍でのオンライン生活を経てようやく出会えた大切な場所と大切な仲間たち。
私が京大に入ったのはこのためだったのではとさえ思えてくる。
常に仲間をリスペクトし、自分には厳しく謙虚で、吸収したいものは素直に貪欲に教えを乞う。
そして何よりサッカーを心から楽しみ愛している。
1本のゴールはピッチに立つ人間だけでなく関わるチーム全員で繋いだ結果だと思わせてくれる。
今の私の望みは私たちトレーナーが忙しくなくなること。
一人でも多くをピッチに送り込みたい。リハビリチームには誰もいない、その状態をつくるために全力を尽くす(決して働きたくないわけではない笑)。
もう少し欲を言うと、1つでも多くの勝利、歓喜の輪を作り、そこに加わりたい。
おそらく最後は泣くんだろうな。
京都の夏は暑い。
それでも今日も私はグラウンドに向かう。
サッカーを愛する大好きな仲間たちの元へ。
拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後とも京大サッカー部の応援をよろしくお願いいたします。
2回生トレーナー 土地さくら