【KIU BLOG】理由
8月も、もう終わりを迎えている。
「ああ、あつい。」
僕もそう思っていたら、本当に熱があった。インフルエンザらしい。夏にかかる人もいるんだということに驚きながら、大学でサッカーを続けている理由を求めて、今季のサッカー部でのことを思い返す。
あれは関西学生リーグ第2節。よく晴れた農G。
その日は、普段より身体が重たかった。怪我で控えていたウエイトトレーニングを急に再開させたせいだろうか。数ヶ月前から張っていた腰の筋肉が、いつもに増して硬い気もする。ボトルを拾い上げたときの、腰の違和感。まあアドレナリンで何とかなるだろう。そんなことより、今日は何としても勝たないといけない。気合いは十分だった。
しかし前半18分。
僕は自ら交代を志願していた。徐々に痛みが増す腰。走ることも、ボールを蹴ることもできなくなっていく。ベンチに戻ると、自力で立つことすらできなくなっていた。
結局、ある程度治るのには2ヶ月を要した。
たかだか2ヶ月。全治1年とかの大怪我をした訳ではない。それでも、長く、辛かった。
心が、どんよりとしていた。
腰が痛いと、ほとんど何もトレーニング出来ない。ゆっくり歩ける、くらい。3週間ほどで治るって言われたのに。
完治するんだろうか。もう全力ではプレー出来ないんじゃないか。だったら辞めてやろうか。サッカーを取り上げられた僕は、虚無感と不安に落ち込んだ。
全てにおいて気力が湧かなかった。部活だけでなく、生活全体が楽しくなかった。充実感がまるでなかった。
でも、ここに大学でサッカーを続けている理由が改めて見えたと思う。
自分にとってサッカーは、内に秘められているバイタリティを存分にぶつけられる、夢中になれる、そんな存在である。何より、奥が深く、面白い。
サッカー以外で、アツくなることなんて、叫ぶことなんて、仲間と抱き合うことなんて、ない。ほんとサッカーのない大学生活なんてやってられない。
小さい頃に抱いていた大層な夢は、とうの昔に砕けた。
散らばっているその欠片を尻目に、それでもまだボールを蹴っているのは、まあそういうことなんだろう。
3回生プレーヤー 松本光擁