【KIU BLOG】仲間
今年も部員ブログを書く時期が来て,とりあえず過去の自分が書いたものに目を通してみた.普段なにも考えていない私なりにその時々に感じたことが書かれていた.そして,どれも目線は自分自身に向けられていた.なので,最後の部員ブログとなる今回は,自分の周りに視野を広げてみようと思う.
京都大学体育会サッカー部に所属するみんなは私にとって無条件で仲間だと思える存在である.だからこそ,この機会に唯一無二の仲間たちと,京大サッカー部という環境について,素直な思いを綴りたい.

無条件で仲間だと思えるのは,サッカーが大好きだからである.みんなサークルなどに行くのでもなく,4年間を本気でサッカーをするためにサッカー部に集まっている.その中で,多少の意識の違いがあれど,サッカーが上手くなりたいと思っていて,また,サッカーの話題であれば,どんな話でも受け入れられるしみんな楽しそうに喋っている.仲良くなるのは当然である.仲間という意識も強くなる.サッカー部の中にいると当然だと感じるかもしれないが,サッカー部だからこそ経験できることであり,巡り会えた縁である.本当にありがたいことだと思う.

さて,そんな中で,私自身に関していうと,普通の人に比べて,周囲の人に関する興味が薄い.新しく知り合った人の名前を覚えるのにも時間がかかる方だ.何か面白いことを見つけたら自分から伝えて,仲間と楽しさを積極的に共有するというのを自分からする方でもない.自分の性格を突き詰めて言えば,マイペースで,良く言えば独立心がある,悪く言えば利己的である.
一方で,サッカー部には,見返りも求めず,部員のためにできることを探し,見つけ,そして実践している人がたくさんいる.そのおかげで組織が成立し,何も考えずにサッカーができる.稀有でこれ以降経験することがないであろう最高の環境である.本来マイペースな私が自然と細かいことでも感謝を伝える,簡単なことを手伝う,といったことが習慣になるほどには.この奇跡的な環境には感謝しかない.

サッカーをしていて,支えてくれるみんなへの1番の恩返しは,公式戦で大きな成果を上げることだ.サッカー部に対して誰かが何かをしてくれたことについて感謝を伝えることももちろん大事である.けれど,部員みんなにとって,そして親を含めたサッカー部を支えてくれる人にとって,試合の勝利によってもたらされる喜びがもっとも大きいものである.だからこそ,後期の前半戦で試合に出ていると,目にわかる結果によってサッカーができる喜びをみんなに還元したいという思いが強くなった.
こうして私にとっては少し熱い気持ちを持って挑み,勝利を掴み取った瞬間は,ただ嬉しいだけでなく,チームの一員として責任を果たせたという深い充足感でいつも以上に満たされる感覚があった.あの時,やっと京大サッカー部に貢献できたのかもしれないと思えた.サッカー部生活の終わりも近付いてきた今,また学生リーグの出場からは離れてしまっているが,少しでも試合に出場して,チームの勝利に貢献していきたい.そしてピッチの内外を問わず,歓喜を部員みんなで共有するために,残りの時間を京大サッカー部に費やしていこうと思う.

最後に、恵まれた環境を支えるすべての人たちへの感謝を忘れず、この稀有な縁で巡り会えた最高の仲間をこれからもずっと大切にしていきたい.
4回生プレイヤー 松岡紘也
