【KIU BLOG】良い方の運命

自分は考えるのがあまり好きではない。

苦手なわけではないが、物事を直感で判断し目の前のことに全力を尽くす方が性に合っている。

どれだけ「未来」のことを考えたって、「今」はその都度形を変えて行く。結局は「運命」であり、なるようにしかならない。ならばその「運命」とやらとしっかりと向き合いたい。

今までもそうしてきたし、それでなんとかやってきた。

ただ、これは「自分一人の場合」であった。

 

 

今シーズンから副将を務めることとなった。

学生主体である京大サッカー部において、これはメンバーを決める側になることを意味する。公式戦のスタメン、ベンチ、そして練習でのAB分け諸々を決めるのだ。

それでも一選手であることには変わりないため、多少の責任感を抱きながらも今まで通り振る舞おう、そう考えていた。

 

チームとして新しいことに挑戦すると決め、オフ期間からミーティングを重ね、ようやく新シーズンがスタートした。

「うまくいかないこともあると思うが、その都度乗り越えて行こう」そう話したことを覚えている。

 

 

しかし、思ってたよりも現実は厳しいものだった

 

いくらボード上で議論を重ねても試合に勝てなかった。

うまくいかないことは覚悟していたつもりだったが、甘かった。出口の見えないトンネルを進み続けるのは、正直しんどいものだった。いっそ引き返したいぐらいだった。日に日に増す焦りや不安から、隠れていた苛立ちや不満が徐々に姿を見せ始めた。

 

 

考えさせられた。

 

「副将って何するんだろう」
そう思うようになった。

 

チームの顔として先頭に立ち、チームを引っ張る主将と比べて、副将はこれと言って明確な役割があるわけではない。自身の存在意義的なことは今まであまり考えたこともなかった。

 

悩んだ。

 

自分なりに出た答えはこうだ。

 

「ちゃんとやること」

 

何か新たな役割を模索するよりかは、今の自分を構築するピースを一つ一つ磨くことに決めた。個々で見れば、ほぼ誤差のようなものかもしれないが、積み重なれば少しはマシな姿になるんじゃないか、そう思った。

 

日々の私生活、練習後の体のケア、試合前夜の食事、練習態度、周りへの感謝、これら一つ一つを改めて、人として「ちゃんとやること」、そしてブレないこと。結果的にこれが信頼へと繋がり、チームに良い影響を与えられる。これこそが自分に与えられた使命である、そう自分に言い聞かせた。

 

 

そして今、チームは変わった。

主将を中心にチームは息を吹き返した

プロでもなく、所詮学生サッカーにすぎないが、「人としての強さ、チームとしての強さ」がこの京大サッカー部にはあった。そんな部の一員になれて、つくづく僕は幸せだと感じる。

 

小中高の経験上、どんなに頑張ったとしても、たぶん引退する頃には多少の後悔が残る。

目に見えた結果を残せない限り、もっとああしておけばよかった、もっとこうしていればよかったと必ず思うこととなる。理論上では、常に全力を尽くせれば、結果によらず後悔なくして終わりを迎えることができるはずだが、敗北という事実が基本的にはそれを上回る。不思議なものである。後悔しないために全力を尽くそうとするも、努力すればするだけ結局後悔は募っていく。

 

 

しかし、引退まで残り1ヶ月ちょっととなった今、なぜだろうか、僕はきっとこの京大サッカー部を引退するときに後悔が残らない気がしてる。後悔するしないの次元を超えた達成感が、何もかも揉み消してくれる気がしてる。

 

運命に良し悪しはないはずだ。

一度きりの人生においては、比較対象がない以上、正解不正解は決められない。

 

だが、これはきっと「良い方の運命」、そんな気がする。

 

4回生プレーヤー 森山翔太

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