【KIU BLOG】fortune
大学入学直後の未曾有な感染症流行。
閉塞的な自粛生活はこれまでの人生を見つめ直すいい機会にもなった。
小学生になり高校を卒業するまで、思い出せるだけでも本当にたくさんの出来事があった。
けれど、1つのゴールに歓喜し、或いは涙した経験は他のどんなものよりも輝いて見えた。
まだピッチに立っていたい。そんな自分の内なる衝動に突き動かされ、大学サッカーに飛び込んだ。
「週6日部活してるなんて高校生みたいだね」「よく続けられるね」感嘆の奥で微かに嘲笑や呆然が含まれた、そんな言葉を何度かけられたことだろうか。
外の世界に目を向ければ多様な生き方があって、研究に没頭する人、海外留学に挑戦する人、旅行で日本中を飛び回る人、皆様々な形で大学生にしかできない経験をしている。
人生の岐路に立った時、人は数ある選択肢の中から大吉を引こうと欲張ってしまう。
新入生の自分も、サッカー以外にもっと幸運で有益な選択肢がある気がして入部を悩んでいた時期があった。
でも今思えば大吉の道なんて無かったのだと思う。
最初から最高の進路などなくて、迷っている複数の選択肢は良くて吉止まり。
選んだ道を大吉にするのは自分自身だ。
そして京都大学サッカー部は大学生活を賭けて挑戦するに値する場所だ。
3部優勝、2部昇格という悲願を達成するために、議論し、案を出し合い、切磋琢磨し合う日々。
ここでなくては出会えなかった最高の仲間、愛すべきチーム。
掲げた目標に向かって努力する者を笑う人はここにはいない。
自分が本気でぶつかった分だけ、多くの物が返ってくる。
この部活で4年目を迎えた今だからこそ言える。
この道を選んだことに一片の悔いもない。
既に他のどの選択肢に勝るとも劣らない経験ができたと思う。
それでも、自慢の同期たちとの4年間を証明するまで、満足することはできない。
残り数ヶ月、全力で駆け抜ける。
僕の大学生活は大吉だったと、胸を張って言えるように。
4回生プレイヤー 斎藤友仁