【KIU BLOG】近道よりも寄り道
将来、私は医師になる。
これは、恐らく変わることはない。医学部に入学した今、簡単に言ってしまえば後は医師国家試験に合格するだけで夢は叶う。2回生になり、本格的に専門講義や実習が始まり、医学を学ぶことの楽しさを感じる日々を送っている。
そんな時にふと思う。なぜ体育会のサッカー部に入っているのだろう?と。
学部の同期は医学部団体なるものに入っており、講義も部活動でも同じ時間を過ごし、先輩や同期の医師を志す者たちとの仲を深め合っている。勿論、医学部サッカー部も存在し、小中高でプレーしてきたサッカーを続けられる環境は整っている。そんな環境の中でも私は学科の同期の中で唯一人体育会に所属し、週6でサッカーをしている。
側から見れば異常かもしれないし、実際に言われたこともある。
当然だ。
これからの将来を考えても、莫大な量の暗記、実習の為の予習、試験に備えて先輩から過去問を集める、同期との信頼関係を築く、などといったことに時間を費やすことの方が圧倒的に合理的であるし、医学部団体に所属していれば、より安易にそれらは叶う。体育会に所属しているからと言って履歴書に書くということも私はないだろう。
それでも、私は体育会サッカー部にいる。なぜだろうか?
明確な理由はない。
実際に去年は,怪我をして充分にプレーが出来ず、試合にも絡まず、満足のいかないシーズンを過ごした。自分に嫌気が差し、所属する意味を感じられなかった瞬間もあった。今も、新たな戦術を試みて上手くいかないことも多々あり、面白くないと感じることもある。毎日遅くまでサッカーをする中学や高校時代と何ら変化のないサッカー中心の生活を送っている。
それでも、サッカーを嫌いになることは無かった。結局はそうなのかもしれない。サッカーが好きで、ただサッカーを本気で愛する気持ちに嘘はつけなかったからなのかもしれない。
仲間と本気でサッカーに向き合う、強豪校出身の相手と本気で勝負する、サッカーを本気で愛せる、そんな環境はここしか無かった。
将来を考えると、今は寄り道をしているのかもしれない。しかし、この異常な寄り道が今は楽しくて仕方がないし、そこに合理的な感情は持ち合わせる隙もない。
2回生プレーヤー 鳥取政秀