【KIU BLOG】嗚呼、あつい
嗚呼、暑い。
8月の真昼間。
11時からの練習に備え、早めに家を出る僕を太陽が照りつける。
35度を超える気温と異常に高い湿度で汗が止まらない。
家を出る前に浴びたシャワーの効果はグラウンドに着く頃にはもうない。
ちらほらと部員が集まってくる。
さらに暑い人工芝のグラウンドの上で練習が始まる。
「集合」と同時に全員の目の色が変わった。
熱くなった。
さっきまでただ暑かっただけのグラウンドが、全員のその眼差しで、その熱量で熱くなった。
嗚呼、熱い。
夏に限った話ではなかった。
たとえ太陽の出ていない夕方であっても、雲が空を覆い大雨が降る日であっても、凍えるほど寒い雪の降る日であっても。
どんな時でも、そこは熱かった。
練習が始まると同時に、各々が各々特有の熱を放ち、錯綜する。
僕にとってグラウンドはそんな場所で、僕はそんなグラウンドが好きだ。
嗚呼、アツい。
バラバラに放っていたはずの熱が一つになり、成功を掴みとれた時、熱さはアツさへと変化を遂げる。
パスがつながる。点を取る。試合に勝つ。
その成功体験が僕を、皆をアツくする。
嗚呼、厚い。
サッカーを続けてきた。
それゆえに切り捨ててきたものがある。失ったものがある。
そう考える時があった。
でも、そんなはずはなかった。
サッカーを通じて出会った人がいる。
できた経験がある。
サッカーは僕の人生を分厚くしてくれた。
濃厚なものにしてくれた。
サッカーはいつでも俺を熱く、アツく、厚くしてくれる。
大好きな同期と。大好きな先輩と。大好きな後輩と。1分でも1秒でも長くサッカーができるように。
あつさを共有できるように。
ただ、ひたすらに僕は走り続けよう。
3回生プレーヤー 日置晃久