【KIU BLOG】揺るぎない決意
京大に合格したら体育会サッカー部に入ろうと決めたのは高3の春だった。
コロナウイルス感染拡大で学校が休校になり、あまり外出せず、大好きなサッカーをしない日々が続いたのが主たる要因だろう。学校が再開し、部活動を引退してからは、体育の授業や休み時間以外サッカーをすることは無くなった。
ますます大学でサッカーに打ち込みたくなった。
現役の時は京大を受けたが落ち、浪人することを決めた。浪人期、ラーメンを食べにいったり友人と喋ったりなど勉強の合間の数ある休息の一つに、京大サッカー部の活動をネット上で見ることがあった。自習室で来年自分が京大サッカー部で活動する姿を想像し、モチベーションを保っていた。
結局合格できたのだが、大好きなサッカーに打ち込みたいと望み、サッカー部員として生活する未来像を既に描いていた僕にとって、サッカー部に入ることは当然だった。他の団体に入ろうとは1秒たりとも考えなかった。
大学生活が始まって1週間程たったある日、僕が通っていた中高一貫校のサッカー部で5年近く共に活動し、京大合格後サッカー部に所属していた親交深いS先輩との食事にて、
「4年間ずっとBチームのままで終わるやつなんてザラにおるけど、それでも入部するんか」
と言われた。
聞いた瞬間は、「毎日大好きなサッカーがしたい自分にとってそんなことどうでもええ」と思って聞き流したが、家に帰ってからはずっとそのことを考えていた。
中高所属したサッカー部は、試合を除くと週3日しか練習せず、高校は部員が20数人程度のチームで、僕はこれといった努力をしていなかったが普通に試合に出れていた。
レギュラー争いとは半ば無縁の世界で、なんとなくサッカーをしていた。
そういうわけで、「毎日サッカーしてたら上手なって普通に大学の公式戦に出れるんやろう」などという浅はかな考えが無意識のうちにあったんだと思う。現実は全く違うのに。
京大サッカー部には強豪クラブチーム・中学・高校出身の人が何人もいて、そうでなくとも毎日数時間練習とサッカーに本気で向き合ってきた人が大多数である。
その人たちと同じ量練習したところで、サッカーに懸ける時間が圧倒的に劣る僕と彼らとの差は縮まらず、公式戦に出るのが不可能なのは明白だった。
S先輩は同じ境遇の僕に対して、甘くはない現実を諭してくれたのだと気づいた。
当然と言える入部に対しての迷いはなかったが、2週間くらい考え込んだ。入部して毎日大好きなサッカーをするが、Aチームで試合に出れない日々を過ごし続けるのは、果たしてしんどくないのか…
入部する時、決意した。
「4回生の時俺はAチームの試合で活躍しチームを引っ張る選手となる」
公式戦出場からはるかに遠ざかっている状況でも腐らずに、努力を怠らずに大好きなサッカーが4年間できれば良いと思い、この決意に至った。
やはり試合に出て活躍したい思いは強いが、そんな実力は今の時点で持ち合わせていない。
だから、少し先の将来を見据えることにした。
そうは言っても、先輩方そして同回生を追い越すことを諦めたのでは毛頭ない。
2、3回生時にAチームで経験を積むことは、必ず4回生になった際プラスになるのは明白であり、少しでも早くAチームに定着するためにも練習に励んでいる。もちろん後輩にも負けていられない。
大学でサッカーを始めて1年と少しが経ち、最近はAチームの試合に出る機会も増えてきたが、驕りなどはない。そんなものは決意の前に無意味だから。
入部時からの揺るぎない決意を胸に、僕は日々サッカーに勤しむ。
2回生プレーヤー 古家光基