【部員ブログ】そこに愛はあるんか
「そこに愛はあるんか」
ある日、趣味であるバスケ観戦の一環でイタリア代表vsセルビア代表の試合を見ていた。
その試合中、やたらとカメラに抜かれるイタリア代表のポゼッコ監督に目がいった。
彼はチームの得点を誰よりも喜び、またミスした選手には熱い抱擁を交わし激励する。
その行動の一つ一つにはチーム、そして選手への愛が溢れていた。
そんな監督の元で強い結束を見せたチームは、試合の序盤こそ劣勢に立たされるものの、底力を発揮し格上のセルビア相手に逆転勝利を収めることとなる。
「チーム愛」
試合の結果を直接左右する訳ではないが、チームに大きな影響を与えうるその要素について考えるきっかけとなる試合だった。
今、どれだけの部員が京大サッカー部を愛しているのだろうか。どれだけの部員がチームの成功を心から願っているのだろうか。
全員がその状態にあることが理想であるが、現実はそうではないと感じる。
ポゼッコ監督の如く、愛情は自然と行動に現れるものだ。
周りや自身の行動を省みると、そういった行動を取れている人は決して多くないと感じる。
その原因の一つがチームの一翼を担う意識、即ち当事者意識を持てていないことだろう。
リーグ戦に出て直接チームに貢献することが、当事者意識を得る上で一番手っ取り早い方法なのは間違いない。
ただ、どうしても試合に出られる人数は限られている。
では、どうすればより多くの人が当事者意識を持ち、チームを愛することができるようになるだろうか。
一つの答えは部署活動だろう。
部署活動を通して一人一人が明確な役割を果たし、チームに貢献する。
それにより当事者意識を得られるのは間違いない。
しかし、現状では多くの仕事が幹部など一部の人間を中心に回っている。
如何に他の部員に分配するかが鍵になるのは間違いないが、仕事の分配は責任の分配と同義であり、匙加減が非常に難しい。
もう一つの答えが学年やA・Bチームの垣根を超えた活発な「対話」だろう。
これは昨シーズンの行動指針の一つでもあった。
色んな人との対話により、チーム内での居場所を確立し、自身がチームに欠かせない一つのピースであると認識できる。
この認識が、ゆくゆくチームのために何かしようと思うきっかけになり、チーム愛を体現することに繋がるのではないか。
部署活動の最適な分配とは異なり、この取り組みは今すぐ、誰にでも始められる。
もう少し他の部員に興味を持つこと。
そして何気ないことでもいいから話しかけ、その人と向き合うことが大切だ。
残り二ヶ月、まずは自分が今まで以上に積極的に色んな人と対話していく。
先にも述べたが、これらの取り組みでチームを愛する人が増えたからといって、勝てるようになる訳ではない。
ただ、チームが一つの方向を向いて結束する上で欠かせないし、何よりそういったチームは強く、決して崩れない。
いつになるかはわからない。
ただ近い将来に愛が実を結び、京大サッカー部がイタリア代表のような結束力を見せて快進撃を遂げることを切に願っている。
4回生プレーヤー 森橋亮太