【部員ブログ】おまえ、ホントに学習しねえ~ヤツだな~
部員ブログを書くにあたり、何を書こうか考えていたが、今シーズンはリーグが始まってすらいないので、自分のサッカー人生の集大成!なんて話もしづらい。何を書こうか?
そんな時に一緒に就活をしている同期から、部員ブログは企業の人も見るんちゃう?と言われたので、第一希望の企業への愛をバシッと書こうと思ったが、一人になってよくよく考えたら、「俺はそもそも面接の土俵に立てるのか?」なんていう大きな不安に駆られ怯えたので、やめておく。
そんな冗談はさておき、本題に入っていきたいと思う。
僕には家族がいる。元気で楽しい一家だと思う。一緒にご飯を食べ、ふざけ、笑ってきた。友達もいる。一緒に、遊んだり、出かけたり、騒いだりしてくれた。これまで、保育園、小学校、中学校、高校、大学と通学させてもらった。やりたいことは言えばだいたいなんでも環境を整えてくれた。欲しいものも言えば買ってくれたし、食べたいものも食べさせてくれた。これまでの人生、家族をはじめとした多くの人たちに支えられて僕はなに不自由なく暮らしてきた。
この環境が当たり前だと思って生きてきた。日常生活の中から何かがなくなったら?と考えながら過ごすことはそう多くはなかった。中学の頃サッカー部の顧問に、サッカー部が存在すること、グラウンドがあること、顧問がいること、それらすべてに感謝をしなさいと頻繁に言われた。僕はその時、「いや顧問に感謝しろって笑、自分で言うなよ!」なんて茶化して聞いていたが、浪人や独り暮らしをしてこれまで当然のようにあったものがなくなってから、少しずつ自分の環境が恵まれていたことに気付き始めた。
高3で京大にフラれ、周りの皆が大学に進学するタイミングで、僕は進学できず置いていかれた。正直死ぬほど悔しかった。まあそんなことはどうでもよくて、それまで約15年間くらいずっとそばにいてくれたサッカーという恋人を失ってしまった。浪人時代はとてもサッカーが恋しかった。
独り暮らしをしてからは、当たり前のように出てきたご飯、当たり前のように洗濯されていた汚れ物、当たり前のようにもらっていた元気や勇気、それらすべてが周りの人達に支えられて存在していたものなのだと気付いた。
大学サッカーでも、2年目くらいからだろうか、自分の中で小さな気付きがあった。大きなケガを経て、サッカーをできることに感謝して1日1日に全力で励まなくてはならないと気付いた。下手な僕が、例年京大サッカー部が掲げる目標に相応しいレベルの選手になるには、時間が足りないと感じた。そこから自分の課題に取り組んだ。しかし、去年のリーグ戦では、チームになにひとつプラスの結果をもたらすことはできなかった。本当に申し訳ない。努力しているつもりになっていた。甘かった。そして「来シーズンのリーグ戦こそは!」なんて思い描いていた。
ところが、これまでの人生で僕は何も学んでいなかった、ことに気付かされる。
コロナウイルスによって前期リーグは中止。はっきり言ってこの先もどうなるのか分からない。
僕が夢を膨らませていた「来シーズン」なんてものは訪れなかった。
当然のように、来年も例年通りリーグ戦があると思っていた去年の僕は本当に滑稽だ。
再び、なくなってから気付いてしまった。全く成長していなかった。
昨シーズンもっと頑張っておけば、なんて過去を後悔しても無駄なのだ。大切なのは、今なのだから。
幸運なことに、僕のサッカー人生はまだ終わっていない。もう同じ失敗を繰り返してはならない。今できることをしっかり取り組まなくてはならない。そして、また当たり前のように部活ができるようになったら、日々への感謝の気持ちを持ち、それを表現すべく必死に取り組もうと思う。これまで学んできたように、あたりまえの日々に真摯に向き合えないヤツにとんでもない偉業は成し遂げられないのだ。この教訓を個人としてもチームとしても忘れずに、今シーズン京大サッカー部が掲げた2部Bリーグ優勝を勝ち取ろうと思う。
最後になるが、来るリーグ戦に向けて抱負を語らせていただきたい。今シーズン俺は一方的にだが、部を去ってしまった友の思いを背負って活躍したいと思っている。とても上手だった彼にはとてもお世話になった。彼の思いと彼への感謝の思いを胸に、このチームで誰よりも点をとるストライカーとしてチームを勝たせようと思っている。
4回生プレーヤー 大谷和輝