【KIU BLOG】なにか
サッカー部に入って約1年と2ヶ月が過ぎた。
私が大学でサッカー部に入ったのは、サッカーが大好きであったからでもあるが、それ以上に自由な自分を取り戻したかったからだ。
私は他のことを気にかけるあまり、集中できない。今、目の前にあるものと向き合えない。
私には子供の頃から些細な恐怖について考えすぎてしまう癖があった。それは、自分の一つ一つの選択がその後の人生を左右するような年齢になるにつれて、ますますその癖が強く自分を締め付けるようになってきた。些細な恐怖とは、受験前日に寝れなくて寝不足の状態で受験して不合格になったらどうしようとか、運動している時に誰かを怪我させてしまったらどうしようといった恐怖である。そんなこと気にしても仕方ないのにそれを回避する最善の手を探そうとつい考えてしまう。どんな些細な恐怖でも考えれば考えるほどそれは大きくなっていく。そうしているうちに、些細な不安を自分の中の重大事項として認識してしまい、考えることから抜け出せなくなる。集中することによって頭の中から大切な何かが抜けていく気がするのだ。
アホな話だなぁと思うが、自分ではどうしようもできなかった。それは大学に入学したときもまだ治っていなかった。もういい加減そんなどうでもよい不安から自由になりたい。
そして、京大サッカー部の存在を知り、入部を決意した。子供の頃、唯一不安も何もかも忘れ自分の世界に入り込むことができたのがサッカーをしている時間だったからである。サッカーをやれば、集中することが怖くなくなるかもしれないと思った。1年以上が過ぎた今、少しずつ集中できるようになってきたが、まだ完全には治っていない。私に足りないないものはなんだ。覚悟か?好奇心か?失敗を顧みない愚かさか?一つのことを突き通す美しさか?時々、考えすぎてまた逆戻りしてしまいそうになる。
自分を変えるために、あと少し、なにかが足りない。
2回生プレーヤー 田端大渡