【部員ブログ】余命1年
「もしも余命1年ですって言われたら何をする?」
随分と前にこのようなことを聞かれた。
当時の自分は「ありえん量の寿司食べる」とか「やっぱ世界一周やろ」とか「とりあえず暴れまわる」といったような月並みな回答をしたような気がする。
「明日地球が滅ぶとしたら?」や「もし明日死ぬとしたら?」といった類の質問はよくあるだろう。
大抵の場合そのような質問に対する答えとして、残りの時間を充実させるための行為を挙げるのではないか。
しかしこのような質問に真剣に考えて答える人はほとんどいないだろう。なぜなら、自分の人生が実際にあと一年になるなんて誰も考えてはいないのだから。以前の自分も深く考えずに適当に答えてしまった。
しかし本当に余命があと1年になってしまった。
京大サッカー部でサッカー人生を終える。入部した時からそう決めていた。
10年間もやってきたんだからもういいだろう。これを最後の青春にしよう。そう思って入部した。
「もしも余命1年ですって言われたら何をする?」
この問いかけに対して今の自分は「残りの1年で自分のサッカー人生の全てを出し尽くす」と答えるだろう。
だが実際の自分の姿はどうだろうか?
果たして今の自分のサッカーに対する姿勢が本当に全力だと言えるのだろうか?
このまま悔いを残さずにこの部活を去ることができるのだろうか?
時間はたったの1年しかないというのに。
やるなら今しかない。これがラストチャンスだ。
人工芝のグラウンド、お金のかかるサッカー部に入ると言っても文句も言わずに応援してくれた両親、そして、こんなヘタクソにサッカーを教えてくれて、どうでもいいことで笑い合えて、練習後に「めしいこーや」と言ってくれる最高のチームメイト。
有終の美を飾るにはこの上ない環境だと思う。
これが良い人生になるかどうかは自分自身にかかっている。
サッカーを通して出会ってきた全ての人たちに感謝し、あと1年、死ぬ気でがんばってこの長かったサッカー人生に幕を閉じよう。
そんなこんなで鬼の期末試験の時期になってしまった。大学生活の方の余命は伸びないことを切に願うばかりである。
3回生プレーヤー 瀧田怜