【KIU BLOG】出日本記
あと12時間。ご飯が出てくる。今思えばこれが最後の米だった。
あと9時間。いくらなんでも長すぎる。ネットも対して繋がらないし、暗い。けど眠くない。
あと7時間。UNEXTに保存してた動画を見ようとしたら、ここでは使えないことを知る。
あと2時間。焼きそばが出てくる。少し食べにくいが美味い。
着いた。知らない匂いの場所だ。気温は少し暖かいくらいでちょうどいい。
「What is your purpose?」
「 Playing soccer」
意味わからんという顔をされ、隣の職員仲間に「こいつサッカーしに来たらしい笑」と珍しげに言っている。言っていることを聞き取れずに戸惑っていると、ため息をつかれる。だんだん自分の後ろに並ぶ人が増え、お互い喋らない時間に緊張感が増す。スマホを使いつつ何とか突破。
建物から出ると目の前に広がるバイエルンの景色。
ということでドイツはミュンヘンに来た。夏休みなので大学で勉強することもなく、サッカーだけしに来た。

もし今後ヨーロッパやアメリカなどへ行こうとしている人は、YouTubePremiumで好きな動画を保存しておくことをお勧めする。飛行機に乗ってから気づき、保存し始めたが間に合わなかった。
最初の3日間は朝4時に起きた。
おそらく時差ボケだが、体調不良ではないので良し。近くのスーパーへ行くと、コストコでしか見ないでかいカートが目の前に現れる。これが外国か。だいたいドイツ語で書いているので、何を書いているが分からないが、AIを使いながら何とか買い物を済ませる。なんとなくの英語で通じるので、意外と普通に過ごせる。
住んでいるところは少し田舎っぽいが、素晴らしいことに近くにサッカーのグラウンドが2つもある。散歩してグラウンドを見に行くと、当たり前のように整備された天然芝がある。

朝の10時。人工芝のグラウンドに人影が見える。どこかのクラブだろうか。サッカーを楽しんでる感じだ。
親子がクラブの隣でサッカーをしている。勇気をだして、「Is this free-ground?」聞いてみる。
英語が通じなかったっぽいが、手招きをされて一緒にボールを蹴らせてもらう。
子供と遊んでいたら、クラブっぽい人達がこっちに来なよとジェスチャー。なんとゲームに参加させてくれるらしい。
見たところエンジョイって感じのサッカーで、お世辞にも上手いとは思わない。
だがどこか違う。日本の個サルや個サイチで見るそれではない。綺麗にパスが繋がるし、おぼつかない感じでもテクニックでボールキープする。
何が違うのか。

遂にチームの練習に参加した。みんなでかい。
正直プロと大差ないくらいの身体つきで、身長はほぼみんな自分より上だ。
みんな優しくて、英語で練習を説明してくれたり話しかけてくれたりする。
ドリブルなど足元の技術は突出しているとは思わなかったが、みんなダイレクトのパスやトラップが尋常じゃなく上手い。
そしてやばいと思ったらゴール前以外は必ずファウルで止める。怪我をするような悪質なファウルじゃなければお互いやるので全く荒れない。
狭いところでポゼッションしててもみんな止まらずにしっかり動くし、変なところにはほとんどいない。指を使った脳機能を鍛えるトレーニングもやるし、パス練習もゲームに近いように感じる。
技術だけなら京大の方が上手い人が多いかもしれないが、咄嗟のプレーの判断や、周りの選手との繋がりの上手さは圧倒的にこっちだと思った。
みんなが試合中何を言ってるかも、なぜ動きが共有出来ているのかも、なぜ判断が上手いかも、まだまだ何も分からないけれど、あと1ヶ月。
まだ何も満足していない。乾ききった脳で全てを吸収して日本へ戻りたい。旅はまだ始まったばかり。
2回生プレーヤー 土田直
