【部員ブログ】超優良企業
こんにちは、農学部森林科学科4回生の辻淳基です。
春の心地よい暖かさを感じながら満開の桜を眺めています。趣のある人間になることを夢見て自分を見つめ直しているところです。当然嘘です。家で読書しています。マジです。
さて、私たち4回生にとってサッカー人生最後のシーズンは波乱の幕開けである。
コロナウイルスによって京都選手権は中止となり、関西学生リーグですら前期リーグ中止を余儀なくされた。
世間ではJリーグをはじめ各国リーグ、加えて東京オリンピックまでもが延期になり、緊急事態宣言がとうとう発令され、中小企業の倒産も相次いでいる。
経営者や社員は思っているだろう。
以前はあんなに順調であったのに、何故倒産することになるんだ、と。
順風満帆であった企業も、予期せぬ災害に対応出来ず倒産していく。
これを私たちは関係ないからと傍観するわけにはいかないと思っている。
京都大学体育会サッカー部にとっても例外ではない。
昨年、京都大学体育会サッカー部は主力選手の怪我による相次ぐ戦線離脱によって戦力の低下を余儀なくされ、自動残留枠を勝ち取るので精一杯であった。
中断期間で練磨した戦術によって後期リーグは非常に面白くなるだろうと私は思っていたが、始まってみると主力離脱により戦術自体が機能しなくなり苦しいリーグとなった。
これは企業での災害による倒産に類似する。
ここで京都大学体育会サッカー部における倒産とは予期せぬ災害によって戦術が機能しなくなり他企業(他大学)との競争に負けることをいうとしよう。
もちろん自動残留枠を勝ち取ることができたので倒産はしてはいない。
しかし、倒産の可能性が垣間見えたのは確かである。これは京大が成長するために、胸に留めておくべき教訓であると感じている。
では倒産を防ぐためには何が必要か?
まず予期せぬ災害があるということを予期しておかないといけない。
ここで、京都大学体育会サッカー部はスポーツ推薦などないため優秀な人材を安定して獲得できるわけではない。
そのため例年、選手ありきの戦術という形を取らざるをえなかった。
しかし戦術の肝となる選手が予期せぬ災害、例えばケガや病気などによる離脱をした場合戦術自体が機能しなくなってしまう。
すなわち倒産に向かう。
ここでもしAサブやBチームの選手が穴を埋めることが出来たら戦術が機能しなくなるということはない。
もし主力が予期せぬ災害によって離脱したとしても、それを予期しておき、穴を埋めることができる要員を準備しておく、または育成しておけば災害があったとしても倒産せずに乗り切れる。選手層が厚ければなんら問題はなく、予期せぬ災害にも対応できる。
しかし近年の京都大学はAチームとBチームの差、レギュラーとベンチメンバーの差が大きいように感じる。
これは何故か。
現状で育成がうまく機能していないからだと考えている。
上の代が引退して下の代が入ってくることで相対的には上にあがるが、絶対的な尺度で見ると上にあがっていない。
つまり成長していないまま上の回生にあがっているということである。
このような選手がいることで、成長している選手との差が大きくなり選手層が薄いのだと思う。
今年や将来の、数年後数十年後の京都大学体育会サッカー部が強くなるためにはBチームの育成が鍵を握っていると考える。
いずれ京大を代表する下回生が多く存在する、また新入生を指導する機会の多いBチームの育成を成功させることは非常に大きな意味を持つ。
京大には指導者がいない。
育成を成功させるには指導者を招聘することは選択肢のひとつである。しかし京大は学生主体で今までやってきて、学生だけでやる限界までやれることはやったのかと考える。答えは、否。
私たちにはまだまだやれることがある。
知恵を出し合って強くなれる。
各々がもっと考えて行動出来る。
私たちには無限の可能性がある。
選手が自分で考えて主体的に行動し、また選手と選手が議論しあい、先輩が後輩に教えることが必要である。
私は現在Bチームの首脳陣を担当している。
Bチーム全員が、守備の仕方などを他者に教えられるほどには理解してないことや、Aチームとの入れ替えが活発でなく、競争が少ないために選手層が薄いという現状を変えるべく、私はBチームの選手全員が新入生に教えることができる段階にし、”上が下に教えて成長できるサイクル”の基盤をつくることでBチームを変えようと強く思っている。
どのように変えるかという具体的なことは割愛する。
Bチームにおいて上回生が下回生に教えることは
サッカー的な”技術”や
”姿勢や考え方”の部分だと考えている。
前者は京大の守備のルールや各局面での対応の仕方、指示やポジショニングといったところだ。教えるには守備の仕方について根本から理解してないと出来ない。そして教えるためには自分から理解しようと考え、また1つ1つの動きに理由をつけはじめ、より一層練習に意識が向かう。
そうすることで次第に主体的に行動するようになり、自ずと成長スピードも向上する。
教えることは自分を成長させることにもつながるのである。
前者はAチームに優秀な個を輩出するというBチームの目的のために真っ先に思いつくであろうが、後者も同様に重要である。
取り組む姿勢や考え方が悪く、技術のみ成長することでレギュラーとして試合に出ている選手を見て、応援している選手は純粋に応援出来るだろうか? 納得いかないと不満を募らせる選手が少なからず出てくるだろう。
それではチームが本当の意味で1つにはならない。ストライキをおこして倒産に向かってしまう。
やはり取り組む姿勢や考え方の成長にも目を向けなければならない。
チームの戦術は何であって、ここのポジションには何が求められて、自分にはどうすることが求められているのか。そのうえで自分の強みをどう発揮すればよいか。
そのために自分の今の問題点は何で、改善するためにはどこをどう意識すればよいか。
その日の練習で何にトライして、フィードバックし、次はどこを意識するか。
解決したら、より上の段階に行くためにどうすればよいか。
冷静な分析と、いわゆるPDCAサイクルをまわす考え方ができている選手は少ない。
考え方から変えられれば、成長スピードは格段にあがる。
したがって京大が強くなるためには、Bチームの選手は下回生や新入生にサッカー的な技術だけでなく、”取り組む姿勢や考え方”も教える必要がある。
教えるにはまず、現在のBチームの選手がこれらの部分で成長出来ていなければならない。
コロナウイルスで活動は出来ていないが、新入生が入るまで、残りわずか。
私は私に出来ることを全うする。Bチームが成長するために尽力する。
成長のため各々ができることがあるはずだ。
やってやろう!!!
上が成長し、上が下に教えるサイクルが出来あがり、下が育ち、Bチーム全体のレベルがあがり、Aチームとの競争が活発になり、層が厚くなり、不測の事態に対応出来るような組織になっていく。
したがって、倒産しにくい組織が出来上がる。Oh,it’s “超優良企業”
やがて京都大学体育会サッカー部は上場することになる。2部Aに。
めでたし、めでたし笑
少し逸れるが、
このような”上が下に教えるサイクル”が確実に出来ると、毎年入れ替わる学生が主体となっている京都大学体育会サッカー部にも時間軸でいう縦の継承ができあがり、それにより積み重ねが出来ていく。
このような仕組みがないと、
過去で良かったこと、強みであったこと、通用したこと、失敗したことが確実に積み重なっていかない。
毎年、その年の主力選手の色を出すサッカーを選択しているが、過去に良かったことを継続したうえで新しいことにトライするべきであると考える。トライアンドエラーを繰り返し、”確実”に積み重ねていってはじめて、京都大学体育会サッカー部は強くなっていると言えるだろう。
まとめると今年の、未来の、京都大学体育会サッカー部が倒産しないためにもBチーム頑張ろうという話でした。
「超優良企業」の著者は
2020年度 関西学生リーグで活躍する男
辻淳基でした。
拙い文章ですが最後までお読みいただきありがとうございました。