【KIU BLOG】高1の決断
「京都大学に行く。」この決断を下したのは高校1年生の時である。
中学3年生の終わりごろ、藤枝東高校に入学が決まった際に、自分はJクラブ出身なので、強豪校といっても1年生からスタメンをとれるだろう、そう思っていた。
しかし、いざ入部すると先輩たちとの身体的、技術的な差を痛感した。さらに不運にも怪我をしてしまう。そして、怪我から復帰しても一年生の間はトップチームとセカンドチームを転々とする日々が続いた。
そんな活躍できない日々が続いた時、「サッカー選手の寿命は短い。どんなに素晴らしい選手でも怪我ですぐに引退してしまうこともある。もしそうなった時のセカンドキャリアは、、?」と考えた。学歴があればサッカーで成功できなくてもその後の人生において苦労する可能性は低くなるし、サッカー以外の道もあれば精神的にも余裕が出て、より一層サッカーに情熱を注げることができるのではないかと思った。
それからはサッカーと並行して勉強に励むようになり、京都大学を第一志望にした。高校2年生の秋頃から試合に出場できるようになり、高校3年生の時にはプロや大学から注目されるようになった。プロになることは幼い頃からの夢だった。しかし、高校1年時の自分の決断が揺らぐことはなかった。プロになるにしても、まずは京都大学に進学し、プロでも通用する実力をつけてからにしようと思い、全ての誘いを断った。
だが、現実は自分の理想通りには行かず、サッカーの方は静岡県大会決勝で静岡学園に敗れ、全国にあと一歩届かず、勉強の方は引退してからの3ヶ月間必死に勉強して京大入試に挑んだが、不合格だった。サッカーも勉強も思うようにいかない挫折を味わった。その際には迷わず浪人を決意した。一浪している間には中学、高校時代の先輩、同期、後輩やライバルがプロや大学のトップレベルで活躍しているのを見て、歯がゆい思いをすることもあった。
しかし、今年の春念願の京都大学に合格し、サッカー部に入った。4月の時点では全く動かなくなってしまった体も動くようになり、トップチームで試合に出れるようにもなった。しかし、現状には全く満足していない。今のままではプロになれないのでは、と焦ることも多い。それでもまだ諦めたくない。高校1年生の時に下した決断が正しかったことを証明するために。京都大学に入ったことを正解だと思えるように。
1回生プレイヤー 植野悠斗