【部員ブログ】大志を抱け
こんにちは。京都大学サッカー部3回の吉岡俊輔です。
日本のIT業界のトップを走り続ける大企業SoftBankの創業者である孫正義(そんまさよし)社長が出演している10年ほど前に放送された番組の動画を見た。その中で孫正義社長は当時の高校生たちに向けてこんな言葉を贈っていた。
“夢を描くことが人生に対するビジョン。
自分の夢も明確に持たずに、人生に対するビジョンも持たずに、
ただ生きていくために給料をもらいにいく。
でも「今現状しょうがないじゃないか」といっているうちに人生あっという間に終わる。
現実が厳しいからこそ自分の夢を、人生に対するビジョンをしっかり持つべきだ。”
ギクッとした。
僕は、生活のためだけにやりがいの感じない仕事をし続けて、何をするわけでもなくただ日々を過ごしていくのは嫌だと思っている。
同じように思っている人もきっと多いだろう。
そして、逆に充実した毎日とは、何か大きな夢があり、それに向かって努力している日々のことだと思う。
うれしさや楽しさと同じくらいつらいこと、悔しいことがあるかもしれないが、僕は何もしないまま終わるよりそういう人生を送りたい。充実した人生のためには、まず自分の夢がないといけないと思う。(人によっては充実した日々のために夢をもたなければいけないというこの文に疑問も持つ人もいると思う。僕もそれは重々承知しているのだが、今の自分の心の中の率直な意見としてはこういうことなのだ。)
だけど、自分自身の将来の夢についてまともに考えたことはなかった。
子供の頃はサッカー選手になりたいと思っていた。
けれど時が経つにつれて自身の実力不足に直面したり、サッカーとは別の世界を見たりして、サッカー選手になりたいという夢はいつしかなくなっていた。
そしてその後、夢らしい夢もないまま大学3回の現在になった。
このまま夢、つまり人生に対する明確なビジョンもないまま納得できる人生を送れるとは到底思えない。
うすうす感じていたことを孫正義社長に言い当てられた気がした。
孫正義社長はこうも述べている。
“その夢を達成できる人とできない人の唯一の違いは、その夢をどのくらい心の底から達成したいと思うか。
すごく強い決意をし、その夢の達成に向かって、恐ろしいまでの情熱で努力をしたかだ。”
なるほど。そりゃあその夢の達成に半端ない情熱を注げている人でないと夢を達成することはできないだろうな。
並外れた情熱をそそげる夢を持つことが人生において重要だということを孫正義社長の言葉を聞いて感じた。
そしてこの言葉を聞いて、充実した人生のためには夢が必要だと、心の中でなんとなく思っていたことが確信に変わった。
ただ日々を過ごすだけの人生は嫌だ。
充実した人生を送るためにはなにか大きな夢が必要だ。しかも恐ろしいまでの情熱をそそげるほどの。
しかし、そんな夢は簡単に見つかるものなのだろうか?
なかなかに難しいことではないだろうか。
僕も含め、自分が絶対に成し遂げたいと心の底から思える夢と出会えていない人が多くいるのも現実ではないだろうか。
人はどうしたら夢と出会えるのだろう?
自分なりに考えた僕の意見を述べたい。
僕は、運命的な夢と出会えるかどうかは確率的なものだと考えている。
人生において「出会い」とは、運任せのガチャのようでもあるからだ。
出会えるかもしれないし出会えないかもしれない。だが、自分の行動でその可能性を大きく上げることが出来ると信じている。
具体的にはどうするか。
ひとつに自分の中に入ってくる情報量を増やすこと。
普段の生活から、自分の身の回りで起こる出来事にアンテナを張って敏感に反応すること。
そうして、自分の中に取り込む情報量を上げる。
こうすることで多くのことを見聞きして考えることができ、そうするうちに張っていたアンテナに、自分が一生を捧げられるような夢がかかる確率も絶対に上がるはずだ。
次に自分の知識の幅を広げておくということ。
アプローチの仕方は無限にあるが、例えば学部の勉強頑張るとか、プログラミングに挑戦してみるとか、いろいろな職種のバイトに挑戦してみるとか、株に手を出してみるとか、挙げ出すときりがないがとにかくあらゆる分野のことについて食わず嫌いせずに学んでやろうという貪欲な姿勢が大切だと思う。
なぜなら知識がなければちんぷんかんぷんな情報でも、知識を持っているだけでその価値に気づくことが出来たりするからだ。
人は人生を変えるようなきっかけを、知識がないためにスルーしてしまっていることも多いのではないだろうか。
知識があればあるほど周りの出来事に対して張っているアンテナの範囲を広げることができる。
そして3つめに、自分の中から湧き出る嬉しい、楽しい、悔しい・・・といった感情を大切にすること。
大人になると個人の感情の感情を殺して、社会の理不尽に対応しなければならない機会が増える。
仕方ないと割り切り、感情を殺すことになれていってしまうと感受性が乏しくなっていってしまう。
先に述べたように自分の生活の中でアンテナを張り、入ってくる情報量を増やしたとしても、感情が湧かない状態で、何らかの出来事に対して、強く心を動かされることはないだろう。
だから自身の感情に対して常に敏感であるべきだ。
感受性豊かに周りの出来事に接していると、何か人生の転機となるべき出来事をしっかりと察知出来る。
アンテナにかかったものを敏感に感じ取るセンサーを常に起動させておくことが大事である。
今この時も、自分の夢を発見できるきっかけとなる出来事が世界のどこかで起こっているかもしれない。
人はそれを情報不足または知識不足のせいで、もしくは何も感じずにスルーすることで、見逃してしまっているのではないか。
もちろん、限界はある。
世界中の全ての出来事を知ることはできないし、それに対して逐一反応していたら時間がいくらあっても足りない。
しかしできる限り情報を仕入れ、知識を広げ、起こった出来事について何かを考え、感じることで、夢を発見できる可能性はいくらでも上がると信じている。
自分はろくに将来のことも考えずに大学3回生になってしまった。
少々遅くなってしまったが、就職という人生の岐路に立たされる前に自分の夢について少し考えてみたい。
高校で勉強を頑張っていわゆる良い大学に入って良い企業に就職するというレールの上でなんとなく過ごすのは嫌だ。
自分の将来の可能性を広げるチャンスが大いにあるのが学生時代である。
この時期に試行錯誤し、もがいてみることは決して無駄にはならないと信じている。
3回生プレーヤー 吉岡俊輔