【部員ブログ】憧れを憧れで終わらせない
「サッカー人生の原点は?」
就活で自己分析を進める中でこんな質問をされた。サッカーを始めたのはかなり前のことだし、正直言ってあやふやな答えしか出てこなかった。
だが「大学サッカーの原点は?」という質問に対してなら明確に答えられる。
私は高二の冬に仙台二高の一員として、東京大学ア式サッカー部が主催するサッカーフェスティバルに参加した。
その中で、日本の最高学府でこんなにも多くの学生が整った環境で、真剣にサッカーに取り組んでいるのかと驚かされた。
他の多くの参加者とともに大学サッカー、そして何より「東大ア式」に憧れを抱いた瞬間だった。
部活を引退して志望校を京大に定めてからも、大学でサッカーをしたいという気持ちがブレることはなく、また「東大ア式」への憧れは消えることはなかった。
京大でサッカー部に入ること、双青戦でア式と戦うことをモチベに受験期を乗り越えた。
そして迎えた初めての双青戦。ずっと楽しみにしてきた双青戦は期待以上の盛り上がりを見せ、忘れられないものになった。(レセプションで割れた一枚のガラスと共に……)
中でも当時のア式主将の松坂さんのスピーチが非常に印象に残っている。そのスピーチでは大学サッカー、そして双青戦が持つ可能性について述べられた。
京大サッカー部とア式がより高いレベルで、大学サッカートップクラスの注目度のもとに試合を行う。そんな未来が実現できたらどんなに素晴らしいだろうか。
弊部現副将の酒井雄飛さんの部員ブログ「京都大学体育会サッカー部が日本サッカーを牽引する時代」にも通ずるようなスケール感の大きい話に、胸を膨らませたことを今でも覚えている。
この出来事から約2年。あの時抱いた期待感とは裏腹に、京大サッカー部は組織として停滞している。
ア式が東京一部再昇格を成し遂げたり、ビッグスポンサー獲得や林監督招聘等で世間からの注目度を高めている中で、京大サッカー部はほぼ何も変わっていない。この2年で大きな差ができてしまったと感じる。
「憧れ」のア式の壁は以前よりも高くなってしまった。
ただ現4回生の取り組みによって、京大サッカー部は確実に変わりつつある。
この半年で閉鎖的なサッカー部に外部との関わりの機会が確実に増えたし、なにより4回生に感化された後輩が多くいる。成長の土台は確実に整ってきている。
この機会を生かして我々が飛躍し、ア式との競争関係を作り出すことが、松坂さんや雄飛さんの描いた未来を実現する第一歩となると私は確信している。
東大ア式抜きにしては語れない私の大学サッカー。
「憧れを憧れで終わらせない」
そんな強い覚悟を持って残りの一年を過ごしていく。
3回生プレーヤー 森橋亮太