【KIU BLOG】台風一過
人間も動物たちも皆、台風を迎える準備をしているのでしょうか。スーパーのパン売り場は枯れ果ててしまっていましたし、いつもうるさいはずの蝉も鳴りを潜めているようです。昼まで降っていた雨も止み、ただ洗濯機の回るグィングィンという音だけがこだまします。ブログを考えなければいけないので、自転車でぶらぶらとしたいと思います。
まずこの一年を振り返るのが自然な流れというものなのでしょうが、以前と比べてもそれほど大きな変化は無く、相変わらず髪の毛は3、4ヶ月にいっぺんしか切らない生活を送っていました。首を振るたびにワサンワサンとなってプレーに支障が出そうであったので、スパンはもう少し短くしても良さそうです。
特筆すべきことと言えば、ロンドン焼の抹茶味にありつけたこととSPOTVを契約してプレミアリーグを見始めたことくらいでしょうか。抹茶味のものは、分かりきっていたことではありますが間違いなく美味しかったですし、プレミアに関してはトップのレベルでどれだけやりたいことができてるのか、あのレベルでも全然上手くいかないことだってあるのだという発見がありました。思惑通りに試合を進めることがどれだけ難しいことか、実感できました。
この前、友人と話していて気づいたことなのですが、自転車のレースで一位を取った選手は一番早くレースを終えています。当たり前のことです。逆に言えば、一番長く自転車に乗っている人は最下位ということになります。
つまり、一番長く競技を楽しもうと思っても勝てないわけです。
大富豪やババ抜きといったトランプゲームでも同様です。都落ちを除けば、上がれずにカードを最後まで持っていた人は負けになってしまいます。
しかし、幸いなことにサッカーはそうではありません。敵と味方で試合が終わる時間は同じですし、時間いっぱいまで競技を楽しみながら試合に勝つことが可能です。さらには、相手よりも長い時間ボールを保持するなどして試合を思い通りにコントロールできれば、相手より長く試合を楽しみつつ試合に勝つことだってできます。それがどんなに難しいことでも、理想的には、やって楽しい観て面白いサッカーができると思うのです。
今のは或る一試合に関しての話ですが、僕のささやかな目標として、競技をできるだけ長く楽しみたいというものがあります。歳をとっても競技を楽しみ続けたいということです。僕の父がそうであるように、over50や60などといったカテゴリーでもサッカーを続け、サッカーを通じてこれまでにできた、また、これからできるであろう仲間、経験するであろう悲喜こもごもを大事にしたいです。今は、大学サッカーでしか味わえない興奮と、ここ、京大サッカー部という環境で得られる経験を大切に胸に刻んでおきたいです。
高校の人たちは浪人ばかりなので別にすると、中学の知り合いなどはもう就職も決まり始めて春から社会人という人も多いようです。自分は院試まで残り一年を切った受験生という立場ではありますが、その先、社会に出るということについてもちろん不安はあります。しかし、趣味としていつまででもサッカーを楽しめることを考えればどんなことでも苦ではないように感じます。
先人たちは、このような静かで落ち着いた日には哲学の道などを歩いて思索に耽っていたことでしょう。僕も哲学者を気取ってサドルの上で考え事をしてみましたが、あまり性に合わないようです。空が暗くなるのも早くなってきたことですし、今頃シーンとした静寂の中、洗濯物たちが干されるのを待っているでしょうから、ここらで切り上げて家へ帰ることとします。
3回生プレーヤー 小原拓士